お仕事が忙しいなか時間を作ってくださったのは練馬区にお住いのご主人さんです。最初の電話から伝わってきた気さくでフランクな感じ、お会いしてみるとこの上ないお気遣いと穏やかな表情でした。お譲り頂いたのはご両親の着物やご主人が若かりし頃夢中になった楽器や音楽関係の雑誌、昔からあった掛け軸などです。一つ一つに思い出が詰まっているご様子でご両親との思い出や青春時代の話を聞かせてくれました。それは聞く側にも心地よい心温まるお話でした。リビングの壁に東郷青児の絵が掛かってあり目を引きましたが「これはご本人からいただいた大切なもの」とのことでお譲り頂けませんでした。古いものを買い取らせていただくという商売の性質上お客様と長いお付き合いが少ない私たちですが、今後もお付き合いできたらうれしいなと思う買取りでした。
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杉並区の時代箪笥 »